> land, sea, and air forces, as well as other war potential,
> will never be maintained
この force(s) とうのは、国連憲章の中の
> All Members shall refrain in their international relations from
> the threat or use of force against the territorial integrity or
> political independence of any state
の force と同じで、日本語に訳すなら「武力」でしょう。で、国連憲章で
は「武力」を「用いてはならない」という文脈になっているのに対して、日
本国憲法では、その「武力」を「持たない」とまで主張しているわけです。
これは大きな違いですが、国連憲章が「用いない」止まりなのは、まあ当
然と言えば当然で、日本以外は別に武装解除しておらず、軍というものが存
在しているのですから、それを「持たない」と書いたら、世界中で一旦軍を
解散しなめればなりません。そんなのゲームの理論じゃないけれど、バカ正
直に武装解除した国から真っ先に他国にいいように料理されてしまいます。
なので「存在はそのまま認めるが、用いてはならない」としたのでしょう。
これに対し、日本の場合はとにかく戦勝国である欧米諸国は日本軍の強さ
が恐ろしかった。なにせ、それまでの米大陸やアジア、アフリカを植民地に
するに際しては、現地人の抵抗など「赤子の手をひねるようなもの」だった
わけですし、かの大帝国だと思っていた中国(清)ですら、「張り子のトラ」
であることがわかってしまったわけです。ところが、そんなアジアの「小国」
のハズの日本が、日清・日露の戦争で大国に勝つという、彼らにすればトン
デモない偉業を成し遂げただけでなく、第二次大戦では世界を敵に回して堂
々と善戦した。これ、西洋人の立場からしたら恐怖以外の何ものでもないで
しょうね。だからこそ、GHQはこんな悪魔のような日本軍をとっとと解体
したくてしかたなかった。だから、直ちに日本を武装解除しただけでなく、
二度とあんな恐ろしい軍を作らせない、という趣旨で、憲法に武力を「持た
ない」と明記させたのだと思います。
> 自衛権の存在・行使を明文で否定することは不適当である」と思ってた
> のなら、なんで”land, sea, and air forces, as well as other war
> potential, will never be maintained.”などという英語にしたんでし
> ょう
ですから、この force つまり「武力」というのは、当然のことながら、
「欧米に楯突く」ための「武力」です。そもそも、第一次大戦も第二次大戦
も、欧米諸国が戦争の当事者、それも「被害者」の立場になり得た戦争です。
当時の欧米列強は、日本“が”、“生意気にも”白人様の欧米諸国に楯突い
た、という被害者意識で日本の force を見ていたわけですから、逆の、日
本“が”「被害者」になる戦争なんて、考えも及ばなかったんじゃないでょ
うか(でも、これってすごいことですよね。だって、もし日本軍が強くなけ
れば、日本は他のアジア・アフリカ諸国と同じく植民地としての侵略の対象
であり、植民地となる対象の日本が自衛のための武力を持とうとしたら彼ら
は遠慮なく拒否して潰していたはずでしょうから)。で、GHQも、ほとぼ
りが冷めて冷静になったら「そりゃ理屈の上では自衛権は当然存在するよね」
ということは「あくまでも普遍的理屈として」認めただけなんじゃないでし
ょうか。
> land, sea, and air forcesは、対応している動詞がmaintainであること
> から陸海空自衛隊(または陸海空軍か。どう訳すかはここではちょっとお
> いといて)を指していると考えるのが普通です。